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「夏休みに入ったのに、全然勉強しない」——塾に通っているお子さんをお持ちの保護者の方からも、この時期に最もよく聞く声の一つです。言っても言っても動かない。気づけばスマホやゲームに時間を使っている。この状況、実はお子さんの「やる気の問題」だけではありません。
長く中学生を指導してきた経験から言うと、家で勉強できない原因の大半は「環境の問題」です。原因を正しく理解することで、対策も変わってきます。
■原因① 「家=くつろぐ場所」という条件付け
人間の脳は、場所と行動をセットで記憶します。毎日リビングでゴロゴロしてYouTubeを見ていれば、リビングに入ると自動的に「くつろぎモード」になります。逆に言えば、自分の部屋の机が「くつろぐ場所」になってしまっている子は、そこに座っても勉強のスイッチが入りにくいのです。
これは意志の弱さではなく、積み重ねられた環境の刷り込みです。「勉強しなさい」という声かけで解決できる問題ではありません。
■原因② 「始めるトリガー」がない
学校がある日は「8時30分までに登校」というトリガーがあります。そのトリガーが、勉強や活動のスイッチを強制的に入れてくれます。夏休みはそのトリガーがありません。無限に先延ばしできる状況では、人はほぼ確実に先延ばしします。大人でも同じです。
「今日は午後から始めよう」→「夕飯食べてから」→「明日でいいか」。このループが夏休み中ずっと続くのが、家で勉強できない子の典型的なパターンです。
■原因③ 「何をすればいいかわからない」
「勉強しなさい」と言われても、何から手をつければいいかが明確でなければ、机に向かっても手が止まります。特に夏休みは範囲がなく、やることが無限にある状態です。無限の選択肢は、かえって行動を止めます。
計画がなければ何もできない、というのは意志の問題ではなく、設計の問題です。
■対策:「環境」と「仕組み」で解決する
これらの原因に共通しているのは、「意志の力に頼っている」という点です。でも意志の力は、環境と仕組みの前には無力に近い。だからこそ、環境と仕組みから変えるアプローチが有効です。
まず試してほしいのは、「勉強する時間と場所を固定する」こと。毎朝9時に机に向かう、という習慣を1週間続けるだけで、脳がその時間・場所を「勉強モード」として認識し始めます。最初は短時間でいい。継続することが大事です。
もう一つは、「家の外に勉強する場所をつくる」こと。図書館、カフェ、そして塾の自習室——自宅の「くつろぎ空間」から物理的に離れることで、勉強モードに切り替えやすくなります。
青明塾では、担任制の個別指導で毎回の学習内容と宿題を明確に設定し、「次に何をすれば良いか」が常に分かる状態にします。授業のない時間でも、開校時間(14:00〜22:30)内であれば自習室を利用できます。家で集中できないお子さんの「勉強する場所」として、ぜひご活用ください。
次回は、部活がある中学生が夏期講習と両立するための、具体的なスケジュールの作り方をお伝えします。