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「夏休みは40日もあるんだから、1学期の内容を全部しっかり復習しなさい」——お子さんにそう声をかけたくなる保護者の方は多いと思います。気持ちはとてもよく分かります。せっかくの長い休み、苦手をぜんぶ潰してほしい。
ですが、あえてお伝えします。「全範囲をまんべんなく復習する」という計画は、多くの場合うまくいきません。むしろ、夏を無駄にしてしまう典型的なパターンです。理由を順に説明します。
■理由①:40日で全教科の全範囲は、時間的に不可能
少し計算してみましょう。夏休みは約40日。そのうち部活、家族の予定、お盆、そして当然の休息日を差し引くと、まとまって勉強できる日は実質的にかなり限られます。その日数で、
5教科すべての1学期内容を、もう一度ぜんぶ復習する——これは時間的に現実的ではありません。
無理に詰め込もうとすると、一つひとつが浅くなります。「全部やった」という気持ちは残るのに、「どれも中途半端」で身についていない。これが一番もったいない結果です。
■理由②:「全部やろう」は、結局「何も終わらない」を生む
人は、対象が大きすぎると手が止まります。「1学期の全範囲」という巨大な塊を前にすると、どこから手をつけていいか分からず、結局ダラダラと先延ばしになる。お子さんが夏休みの後半になって慌てる、というのはよくある光景ですが、その多くは「目標が大きすぎて動けなかった」ことが原因です。
■では、どうすればいいのか——「絞り込む」
成果が出る夏の過ごし方は、逆です。やることを絞り込む。
具体的には、「2学期以降に響く、本当に大事な単元」だけに的を絞る。以前の記事でも触れた通り、特に数学と英語の積み上げ単元——たとえば数学の方程式や関数、英語の基本文法のように、「ここが抜けると後がすべて崩れる」急所だけを、夏のうちに確実に固めます。
全部を浅くやるより、急所を深く。これが、限られた40日を最大限に活かす唯一の方法です。
■「急所がどこか分からない」が、最大の壁
とはいえ、ここで新しい問題が出てきます。「では、うちの子にとっての急所はどこなのか?」——これを見極めるのが、実はいちばん難しいのです。
成績表の点数を見るだけでは分かりません。同じ「数学60点」でも、計算ミスで落としている子と、関数の考え方そのものが分かっていない子では、夏にやるべきことがまったく違います。
その見極め方——テストの「点数」ではなく「間違え方」から弱点を特定する方法を、次回の記事で具体的にお伝えします。